民泊の起こりと問題点5〜民泊の実態と種類〜

民泊の種類

これまでに書いてきたように、民泊は大きく分けて2つに分類されると考えられる。

  • 人との繋がりを重視したホームステイ型
  • 空き家問題やホテル不足を補う意味での空き家ビジネス型

この2つを比べてみると、貸し出すホスト側の目的も、利用するゲスト(お客様)の目的も、まったく性質が異なるものだと理解できるだろう。

Airbnbのアジア太平洋公共政策局長マイク・オーギル氏も、Airbnbに掲載されている宿泊形態は大きく分けて以下の3パターンがあると述べている。

1)ホスト不在の空き家を貸し出す

2)ホスト在住だが不在時(長期出張等)に貸し出す

3)ホスト在住の空き部屋を貸し出す

それぞれへの規制が必要

これらは、宿泊者にとって目的が全く異なっているものであり、1)や2)を希望する宿泊者は、ホテルに泊まるよりも安価で、ホテルが無い地域でホテル代わりにといった目的で、3)を希望する宿泊者は前述の教育旅行のケースと同様に人との触れ合いや交流を目的としていると考えられる。

すなわち、1)2)ではホテルや旅館といった正規の宿泊施設と競合になるが、3)ではそことは競合しないということになる。

したがって、厚生労働省と観光庁が開いている「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」ですでに話に上がっているように、これらをすべてひとくくりで考えるのではなく、それぞれのケースで法律と照らし合わせて考えていく必要があるという見解はもっともである。

しかしながら、1)2)だけ規制をすれば良いのかというとそうでもなく、3)のパターンは前述の通り農家民宿という許可を得ている施設(農林漁家)が、すでに多く存在しているわけで、ここで3)のパターンは許可がいらないということになってしまうと、すでに許可を取った農林漁家からは不満が出てくることだろう。

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