旅行における安価と安全の関係

◆ 自由と自己責任

だれでも旅行に行くときは、できるだけ安く、より良い内容でと考えるだろう。

インターネットの普及に伴い、ネット上でだれでも簡単に格安航空券を買うことができ、ホテルの比較サイトやAirbnbなどのマッチングサイトでより安く宿泊施設を手配できるようになった。また、現地のオプショナルツアーや体験も「タビナカ」と呼ばれ、各種サイトが充実しているし、評判のレストランもネットで調べて、簡単に予約が取れるようになっている。

海外旅行はより身近により安価になってきていると言える。

しかし、安全面ではどうなのだろうか。

自分で自由に安価に旅行の計画を立てることができるようになった反面、すべては自己責任になり、安全面への配慮も自分で行わなければならなくなっているということに気が付いているだろうか。

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◆企画旅行と手配旅行

旅行業法上、旅行会社が取り扱う旅行には大きく分けて2つの種類がある。「手配旅行」と「企画旅行」。

手配旅行とはお客様のご要望通りに航空券やホテルを手配するのみで、その旅行に対しての補償や責任は旅行会社に発生しない。チケット屋さんでコンサートのチケットを買うのと同じ感覚である。

それに対して、企画旅行とは旅行会社に旅程補償が生じるため、事故やトラブルが生じた場合、旅行会社が対応しなければならない。また、最悪の場合には特別補償規定に沿って保証金が支払われる。

海外旅行で邦人の死亡事故などが起きてマスコミに報じられる際に、旅行会社の名前が出てくるときと、まったく出てこないときがあるのを不思議に思われたことがあるかもしれない。

同じ旅行会社を通して申し込みをした場合でも、企画旅行に参加していた場合は、そういった事故に対しての責任の所在が旅行会社にあるため、きっちりとした対応を旅行会社が行うのだが、手配旅行で航空券とホテルだけを旅行会社から買った場合は、自己責任なので旅行会社は関係ないのである。

これは、大きな事故に限らずとも、現地で航空機が欠航になってしまった、ホテルがオーバーブックをおこして泊まれなくなってしまった、パスポートを紛失してしまったなどのトラブルの際も同様である。

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◆ トラブルの想定

海外旅行がこれだけ身近になってきてもトラブルはつきものである。

海外旅行においては、小さなものでも何かしらのトラブルがあると事前に想定し、どんなトラブルにもなんとか対応することができる旅慣れている方と、そうでない方では、金額だけでなく、安全面・安心面も考慮しながら、旅行の手配や申込の仕方などを考える必要があるのではないだろうか。

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