いよいよ民泊が身近に!? 民泊の旅館業法改正に向けて政府が意見募集をスタート!
2016年2月9日厚生労働省が旅館業法の改正に向けてパブリックコメントの受付を開始した。
内容は、以下の2つである。
- 簡易宿所の客室延床面積が「33㎡以上を求める」現行の規定から、「33(収容定員が10名未満の場合は、3×収容定員)㎡以上であること」を求める規定に改正する
- 農林漁業者が農林漁業体験民宿業を簡易宿所営業として営む場合には、客室延床面積の基準を適用除外としているが、農林漁業者以外の者(個人に限る)が農林漁業体験民宿を営む場合についても適用除外の対象とする
実質この2点は改正されるものとみて、今後にどのような影響を及ぼす可能性があるのだろう。
◆ 1、簡易宿所の面積の緩和
客室の延床面積が緩和されることにより、民泊を想定した個人レベルにおける簡易宿所許可を得るための、一番のハードルとなっていた課題が解決されるわけだが、こうなると大田区や大阪府の条例があまり意味をなさなくなってきてしまうだろう。
というのは、大田区や大阪府は一定の基準を満たし、登録手続きを得ることにより簡易宿所の許可がなくても民泊ができるようになるという条例である。しかし、この条例には条件があり、宿泊者は7日間以上(6泊)の宿泊でなければならない。
それに対して、今回の規制緩和において簡易宿所の許可を取れば、1泊からの宿泊でも問題ないわけで、そちらの方がより現実的であると思われる。
実際に、事前にあれだけ注目を浴びていた大田区の民泊の申請が、思うように数が増えていないという理由には、この法改正を待ち、1泊からでも受け入れができるようにするという考え方が多いのかもしれない。
◆ 2、農林漁業者以外の体験民宿
例えば、教育旅行の民泊を受け入れている自治体において、受入れ民家の中には、農林漁家の方もいれば、商店経営やサラリーマンの専業主婦、リタイアした方など、農林漁家以外の方も含まれているケースがある。
その場合、農林漁家の民家は延床面積の基準が適用除外なので、比較的簡単に許可を取ることができるが、それ以外の民家は簡易宿所として許可を取らなければならないので、ハードルがぐっと上がってしまう。
実際におこなっているのは同じような体験活動なのに、今のままでは全員が許可を得ることは難しいということで、同じような体験をおこなっている民家に対しては、農林漁家と同様に適用除外にしようというのである。
基本的にはこの法改正には賛成なのだが、最近民泊の増加に伴い、一部の受入れ民家では、体験活動をろくにさせずに、ちょろっと周辺の観光地に連れていくくらいで、あとは放ったらかし、最悪の場合は留守番なんていうケースも出てきているのである。
教育旅行における民泊の目的は、地元の人たちとのふれあいであり、家業体験である。
この法改正によって、質の低い民泊が広がるのではなく、より温かく生徒たちを家族として迎えてくれる受入れ民家が増えることを望む。
そのためには、観光協会や商工会、NPO法人などの民泊受入れ団体による、指導や研修などがより大切になってくるだろう。
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