民泊の起こりと問題点3〜教育旅行の現状〜

教育旅行(修学旅行宿泊研修等)における民泊の

伊江島の成功や、文科省のプロジェクトを受け、民泊は全国的に広がりを見せていくのだが、前述のような営業許可の問題も浮き彫りになってきた。

そこで、2003年から2005年にかけて規制緩和された「農家民宿(農林漁村体験民宿)」が少し遅れて注目を浴びてくることになる。

「農家民宿」とは、宿泊者に対して農林漁業体験を提供することなどの一定の条件を満たした農林漁家であれば、旅館業法や食品衛生法などの法律に定められた簡易宿所の許可条件に関わる規制が緩和されるのである。

(例:簡易宿所は客室面積が33㎡以上必要なのに対し、農家民宿は33㎡未満でも可能)

(例:簡易宿所は飲食物を提供する場合飲食店営業の許可が必要なのに対し、農家民宿は共同調理を条件に許可は不要)

これまで、「民家体験泊」という形態で、宿泊費としてではなく体験費として金銭を収受することにより、グレーゾーンだった「民泊」が、しっかり許可を取り「農家民宿」として真っ白で活動を始める地域が増えてきたのである。(しかし、すべての地域で「農家民宿」の許可を取ったわけではなく、現状でも「民家体験泊」の形態で民泊の受け入れをおこなっている地域もある。これについては、受け入れをおこなっている都道府県によっては「ガイドライン」というかたちで認めているケースも見られる。)

民泊と民宿の呼び方

「ん?ちょっと待てよ。その場合、民泊というよりも民宿泊なのでは?」

とお思いになる方もいらっしゃるだろう。

現実にはそうなのだが、前述の通り、民泊の目的は宿泊をする家の人と子供たちが人間的な交流・触れ合いを持てる少人数での宿泊形態であるため、便宜上、その目的を達成することのできる形態はそのまま民泊と呼び、十数人からの集団宿泊である民宿泊とは分けて呼んでいるのが現状である。

今でもこの修学旅行における民泊は、教育効果の高さが顕著に現れるといった点から、学校には絶大な人気があり、日本全国で人気のプログラムとなっている。

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