旅行サービス手配業と教育旅行 〜安全安心な教育旅行の実施に向けて〜

旅行業法の改正により、平成30年1月4日より日本国内においてランドオペレーター業務を行うには都道府県知事の「旅行サービス手配業」の登録が必要になりました。
http://www.mlit.go.jp/common/001209429.pdf

インバウンドの増加に伴い、外国からの旅行者の受け入れにあたって安全性や旅行の質を保つための業法改正というイメージが先行していますが、実はこの新制度は教育旅行においても無関係ではありません。
民泊などの分宿型の教育旅行が人気を博しているなか、民泊家庭や体験事業者など地域のサービス提供者と旅行会社の間に入りコーディネーター業務を行う観光協会などの団体が多い現状において、新しく設定された「旅行サービス手配業」はどのように考えていけばよいのでしょうか。

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◆ 旅行サービス手配業とは

旅行サービス手配業とは、「報酬を得て、旅行業者(外国の旅行業者を含む)の依頼を受けて、旅行者に対する運送等サービス又は運送等関連サービスの提供について、これらのサービスを提供するものとの間で、代理契約・媒介・取次(取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く)を行う者。」 とされています。

「運送等サービス」とは運送又は宿泊のサービスを指し、「運送等関連サービス」とは通訳案内士・免税店等の運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービスを指しています。
すなわち、直接の旅行者からではなく、旅行業者からの依頼を受けて、観光バスや航空券などの運送サービスや、ホテル・旅館などの宿泊施設、レストラン、土産店、ガイド等を手配する業者を旅行サービス手配業と定めたわけです。

意外かと思われるかもしれませんが、そもそもこのような業務を行っていたいわゆる「ランドオペレーター」と呼ばれる業者は、旅行業などの登録が一切必要ではありませんでした。なぜなら旅行契約とは実際に旅行をする旅行者と旅行業者との間に締結されるものであり、ランドオペレーターは旅行者との契約行為は行われず、あくまでも旅行業者との契約のため、旅行者保護を目的とした旅行業法の対象ではないと考えられていたからです。しかし、記憶にも新しい平成28年1月の軽井沢スキーバス事故をきっかけとして、ランドオペレーター業務を行う事業者に対しても登録義務を課すという意味でこの制度が創設されました。

◆ 軽井沢スキーバス事故の実態

平成28年1月15日AM1:55頃、長野県軽井沢町の国道18号線碓氷バイバス入山峠付近において、貸切バスがガードレールを突き破り、道路右側に転落、乗員乗客15名が死亡、乗客26名が重軽傷を負った軽井沢スキーバス事故の実態とはどのようなものだったのでしょうか。

このツアーの催行者であった旅行業者A社は直接バス会社B社に対してバスの手配を行ったわけではなく、中間業者(ランドオペレーター)のバス手配会社C社を通して手配を行っていたのです。事故の後、旅行会社A社は旅行業法に基づき登録取消、バス会社B社は道路運送法違反により許可取消といった行政処分を受けたにも関わらず、中間業者C社は該当する法令がなく処分無しとなりました。
本来であれば、バス会社の管理体制など安全安心をしっかりとチェックしたうえで、旅行業者へのサービスを仲介しなければならないといった重要な役割を担うべき中間業者が、業務を怠っていたとも捉えられる状況にも関わらず、中間業者を行政処分する法令が無いと言った問題が明るみになった痛ましい事故でした。

その反省を活かして制定されたのがこの旅行サービス手配業の登録制度です。

この制度では、不実告知、債務履行の遅延、他の法令に違反する行為のあっせん等を禁止行為として定め、具体的に、道路運送法に基づく下限割れの運賃による運送の提供に関与することといった事例を示しています。
また、登録を受けずに旅行サービス手配業を営んだものには、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はその両方が課せられるとされています。

◆ 教育旅行における関係性

近年教育旅行の誘致に積極的に取り組む自治体が増えてきています。地域の魅力を発揮し、宿泊や体験をひとまとめにして、観光協会やNPO法人、民間企業等がワンストップで窓口となり、教育旅行を取り扱う旅行会社に対して地域として積極的に売り込みをしています。
なかでも地域の民家に宿泊する民泊家業体験は圧倒的な人気を博し、その地域の宿泊先となる民家を取りまとめてコーディネーター業務を行っている団体は全国に多数存在しています。

では、このコーディネーター業務を行っている団体(観光協会やNPO法人、民間企業)は旅行サービス手配業に登録するべきなのでしょうか。
前述の通り旅行サービス手配業の登録をするべき業務とは、「報酬を得て、旅行業者の依頼を受けて行う、運送又は宿泊の手配」となっています。
これまでは旅行者(学校、生徒)は旅行会社と旅行契約を結び、コーディネーター業務を行っている団体はあくまでも旅行会社との契約だったので、ランドオペレーターという位置づけのため、特別な登録の義務はありませんでしたが、この制度ができたことにより、複数の民家を代理して旅行会社との契約を取次ぐといった性質上、旅行サービス手配業の登録が必要になったと考えられます。報酬を得てとありますので、ただ取次を行うだけで、旅行会社からの支払の収受は各民家で行うということであれば、もちろんこの限りではありません。

ただ、第1種、第2種、第3種、地域限定に限らず旅行業登録を済ませている団体は新たに旅行サービス手配業に登録する必要はありませんので、すでに旅行業登録済みの団体については問題ありません。

◆ 教育旅行における民泊家業体験の実態

全国に広がっている民泊家業体験(呼び方は様々)ですが、最近の民泊新法の問題でもクローズアップされているように、宿泊所としての許可を取得していないにも関わらずお客さまを宿泊させて料金を収受するいわゆるグレー民泊と呼ばれる形態が以前は主流でした。
特に教育旅行においては、あくまでも家業体験として学校にサービスを提供しているため、収受するお金は宿泊料金ではなく体験料金であるという名目上、宿泊の許可を得ていなかったのです。

しかし、民泊問題が表面化していくにあたって、教育旅行という性質上、グレーのままで良いわけはなく、農家民宿という規制緩和された簡易宿所許可を取得して営業する地域が増えてきました。

それに対して、一部の都道府県では教育旅行の民泊に対してのガイドラインを定め、教育目的で農林魚家に宿泊をさせるケースにおいては、宿泊料とはみなさず、簡易宿所許可を取得せずとも営業を認めているといった実態もあります。

◆ 宿泊料と体験料

旅行サービス手配業の話に戻しますと、旅行サービス手配業が代理契約・媒介・取次を行う対象は運送や宿泊、土産店やガイドといったサービスとされているため、体験は含まれているのか微妙なところです。

もし体験が対象のサービスでないとすると、前述の教育旅行の民泊におけるガイドラインを定めている一部の都道府県でコーディネート業務を行っている団体は、旅行サービス手配業の取得の必要はなく、簡易宿所許可を得て活動をしている地域の団体は旅行サービス手配業を取得しなければならないと言ったことになります。同じ業務を行っているにもかかわらず、地域によっての不公平が生まれてきてしまいます。

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◆ 現状(沖縄の事例)

教育旅行の訪問地として絶大な人気を誇り、年間約44万人(約2,500校)の教育旅行を受け入れている沖縄では、民泊家業体験を望む学校が多く、約4割の学校が民泊を実施していると言われています。そのニーズに応えるため、民泊を受入れる地域は25団体を超え、民家数としては2,000軒近くも存在しています。その沖縄では旅行サービス手配業に対してどのような取り組みを行っているのでしょうか。

そもそも沖縄県では、前述のガイドラインのようなものは定められておらず、逆に教育旅行の家業体験においても宿泊を伴うものについては簡易宿所許可を取得するように明確な指針を定めています。
http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoshinko/yuchi/documents/shishin.pdf

従って、民泊のコーディネート業務を行っている団体においては、旅行サービス手配業への登録が必要として各団体への登録を促しています。
その結果、2018年3月末時点で39件の登録がされ、これは東京、大阪に続いて3番目に多い登録数となっています。※すでに旅行業登録を済ませている団体は除く
http://www.pref.okinawa.jp/site/bunka-sports/kankoseisaku/somu/interpretation/documents/ryokougyou-ryokousa-bisugyoumeibo.pdf

しかしながら全国的に見ると、前述のガイドラインを定めている都道府県をはじめ、それ以外の都道府県でも民泊家業体験や民宿分宿などのコーディネート業務を行っている団体の登録はまだまだ少ないのが現状です。

◆ まとめ

6月に施行される民泊新法も絡んで、教育旅行における民泊の位置づけにおいても今後様々な動きが出てくると思われます。しかし、都道府県で見解が異なることになると、該当する学校や生徒などの旅行者も教育旅行を取り扱う旅行業者も判断がつきにくくなってしまい、制度が有名無実化していく恐れがあります。

お金と労力をかけて簡易宿所許可を取得した民家や、同じく旅行サービス手配業を取得した団体がある一方で、見解の違いにより取得すること無く営業を続けている現状に対して、正直者が馬鹿をみることがないように徹底していく必要があります。
そして何よりも旅行者保護を目的とし安全安心のために設定された制度ということを理解したうえで判断をすることが重要であると考えます。

※ 教育旅行のおけるご質問等ございましたらお気軽にお問合せください。
株式会社エデューズ  担当:井野  03-6435-6425

夏のキャンプ等を中止しようか悩んでいる自治体の皆様へ 〜分かりやすい旅行業法〜

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夏休みに自治体等の主催で予定していた子供向けのキャンプ等が、旅行業法に抵触する恐れがある、または抵触しているという理由から、続々と中止に追い込まれているというニュースを最近よく目にします。
せっかく楽しみにしていた子どもたちや、キャンプ等で一皮むけた成長を楽しみにしていた保護者の方々にとってはとても残念なニュースなのではないでしょうか。

そこで、今後このようなことがないように自治体等の方々にご参考にしていただきたく、旅行業法について簡単にまとめました。

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  • 旅行業とは?

旅行業の定義は旅行業法に以下のように定められています。


旅行業法 第一章 総則 

(定義)第二条

この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。

 旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を、旅行者の募集のためにあらかじめ、又は旅行者からの依頼により作成するとともに、当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等サービスを提供する者との間で締結する行為

 前号に掲げる行為に付随して、運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を、自己の計算において、運送等関連サービスを提供する者との間で締結する行為

 旅行者のため、運送等サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為

 運送等サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為

 他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して、旅行者に対して運送等サービスを提供する行為

 前三号に掲げる行為に付随して、旅行者のため、運送等関連サービスの提供を受けることについて、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為

 第三号から第五号までに掲げる行為に付随して、運送等関連サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送等関連サービスの提供について、代理して契約を締結し、又は媒介をする行為

 第一号及び第三号から第五号までに掲げる行為に付随して、旅行者の案内、旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為

 旅行に関する相談に応ずる行為


  • 今回のケースに照らし合わせて考える

すなわち旅行業とは、①報酬を得て ②一定の行為を ③事業として 行うことを指します。
では、この3つを一つずつ今回のケースと照らし合わせながら見てみたいと思います。

① 報酬を得て とは?

「報酬を得て」と言われると、「利益を得て」と考えてしまう場合が多いかと思います。報道によると、子どもたちに喜んでもらうためにいくらか主催団体側(自治体等)で負担までし、そのうえで料金設定を行ったケースもあるという話でした。すなわち、「利益を得て」には該当しないからOKと思われがちです。
しかし、ここで言うところの「報酬」とは「利益」とイコールではありません。

そもそも、今回のケースではほとんどが参加費お一人あたり○○○円(含まれるもの:貸切バス代、宿泊代、昼食代)と言った表示をされています。このような包括料金での提示の場合、それぞれの単価が見えないので、主催団体が利益を得ているのかは参加者にとって分かりません。それは、旅行会社が主催する「ハワイ6日間 お一人あたり100,000円」というツアーにおいて、その中に旅行会社の利益がいくら含まれているのかが見えないのと一緒です。
従って、参加者から参加費を一旦収受するということだけでも、「報酬を得て」と認められることになります。

② 一定の行為を とは?

大前提として、「運送または宿泊」が関連する企画において代理・媒介・取次を行うことを指します。運送か宿泊のいずれか一方でも含まれていれば、旅行の扱いということになります。従って、運送も宿泊も無い企画であれば該当しないということになります。
今回のケースでは、ほとんどが、貸切バスなどで目的地まで出かけ、現地での宿泊を行っているように見受けられます。その場合は、「運送・宿泊」のいずれも参加者を代理して主催団体が運送機関や宿泊機関と契約を行っていますので、旅行業に該当するということになります。
その他にも手続代行や旅行の相談を受ける行為なども旅行業とみなされますが、そちらは今回の事例に直接関係がないので割愛します。

【旅行業に該当しないケース】
(1)運送または宿泊が含まれていない場合

例)現地集合し、BBQやイベントなどを行い(昼食も含む)、現地解散する日帰りの企画

(2)主催団体が自ら所有する運送または宿泊のサービスを提供する場合

例)バス会社が行う日帰りバスツアー、ホテルが行うゴルフパックの販売

上記(2)より、例えば自治体の主催で、当該自治体が所有するバスを使用し、同じく当該自治体が所有するキャンプ場でキャンプを行う場合などは、旅行業とはみなされないということになります。

③ 事業として とは?

原則としては「反復継続して行う場合」を事業としてみなすとなっています。
しかし、不特定多数の方々に向け募集行為を行っている場合は、反復継続が認められなくても事業としてみなされることがほとんどです。

【旅行業として該当しないケース】

(3)特定のグループ内での募集行為

例)社員旅行の幹事が旅行会社を通さずに企画・手配を行い、会社の社員向けに募集を行った場合
例)学校の生徒向けに研修旅行の企画・手配を学校が行い、生徒に向けて募集を行った場合

今回のような自治体主催のキャンプなどの場合、参加資格は市民や区民などの「住民」となり、上記(3)の特定のグループ内(クローズドマーケット)と捉えられなくもありません。しかし、ここでいう特定のグループとは、日常的な接触があり、互いに顔見知りかどうかが基準になっています。

もちろん社員数の多い会社や生徒数の多い学校などは全員が顔見知りではない可能性もありますが、市民や区民などの「住民」となると、全員が顔見知りである可能性は極端に低いため、特定のグループ内には該当しないという判断になっています。

また、募集チラシなどの募集要項についても、学校内や会社内での募集の場合は、当該の生徒や社員に向けて配られますので、一般の方々の目に触れる機会はほとんどありませんが、自治体主催となると、誰でも出入りのできる庁舎に置いてあったり、誰でも見ることのできるホームページに掲載されていたりと、不特定多数の人の目に触れることになってしまうのも上記(3)に該当しない理由のひとつに挙げられると考えます。

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  • ではどうすればよいか

前述を踏まえて、旅行業登録のない自治体などの団体が主催し、ツアーを行う場合は以下のような方法が考えられます。

① 旅行業者にすべてを委託する

誰にでも思いつく方法ですが、これが一番手っ取り早いです。ツアーの計画段階から旅行業者を巻き込み、企画・手配・集金・支払い等をすべて旅行業者にやってもらいます。

[デメリット]
「旅行業者を間に入れると値段が高くなってしまう」と言ったお声もよく聞きますが、それにはしっかりとした理由があります。その理由については後述します。

② 該当部分(運送・宿泊)のみを旅行業者に委託し、イベント部分は主催団体で行う

旅行業者に委託する場合、当然内容によって値段が変わってきます。できるだけ金額を下げたいのであれば、旅行業者の取り扱う部分を、旅行業法に関連する部分のみに制限し、それ以外のイベントや食事の部分は主催団体側で企画・手配を行うのも方法のひとつです。
その場合、参加者が申込み・支払いをするのは、旅行部分は旅行業者へ、イベント部分は主催団体へとなります。(旅行業者へ一括で行うことも可能ですが、その場合、①とほぼ同じ条件となりメリットがありません。)

[デメリット]
参加者が申し込みや支払いを別々にしなければならないため面倒が生じます。

③ 現地集合・現地解散・日帰りにする

④ 参加費の収受をせずに、参加者からサービス提供者(運送・宿泊)へ直接支払いをしてもらう

[デメリット]

③④は現実的ではない

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  • なぜ旅行業は登録が必要か?

そもそもなぜ旅行を取り扱うには旅行業の登録が必要なのでしょうか。答えは簡単で、「旅行者の安全を守るため」です。

旅行業者を通すことによって金額が上がってしまうというのは最もですが、それには理由があります。旅行業者は旅行中に参加者の安全を保証する責任があります。まずは、バス会社が事故を起こさないように、宿泊施設が火事や食中毒などを起こさないように、安全点検や運転者・従業員の管理などをしっかりと行っているかをチェックし、お客様に安心してお勧めのできるバス会社や宿泊施設等を含めた旅行を提供しています。

それでも万が一に備えて、企画旅行の場合は、特別補償という、旅行業者の責任の有無に問わず、企画旅行参加中に急激かつ偶然な外来事故で、参加者がその生命、身体または携帯品に被った一定の損害について、あらかじめ定める額の保証金及び見舞金を支払うことが義務付けられています。(お客様からの指定のバス会社や宿泊施設の場合でも特別補償は対象となります。)

  • 旅行業者を通すとなぜ高いか

旅行業者を通さずに旅行をすることにより、万が一参加者に不幸があった場合、主催団体はどこまで責任を取ることができるのでしょうか。

安全安心は無料のサービスではないということです。

旅行業者を通すことにより代金は上がってしまいますが、その上がった分の代金で安全安心を買っていると思うことが重要です。

  • まとめ

とはいえ、安全安心にどこまで力を入れているのか、安全安心にどれだけの価格を設定しているのかは旅行業者によって異なります。

今回の事態をきっかけに、大切な子どもたちを預かるイベントに相応しい旅行業者はどこなのかを、金額面も踏まえてしっかりと選定する必要があると思っていただければ幸いです。

※ 具体的な事例や、それでも旅行業者を通さないで実施したいなどのご相談を無料で承ります。お気軽にお問い合わせください。

株式会社エデューズ 担当:井野 03-6435-6425

いよいよ民泊が身近に!? 民泊の旅館業法改正に向けて政府が意見募集をスタート!

2016年2月9日厚生労働省が旅館業法の改正に向けてパブリックコメントの受付を開始した。
内容は、以下の2つである。

  • 簡易宿所の客室延床面積が「33㎡以上を求める」現行の規定から、「33(収容定員が10名未満の場合は、3×収容定員)㎡以上であること」を求める規定に改正する
  • 農林漁業者が農林漁業体験民宿業を簡易宿所営業として営む場合には、客室延床面積の基準を適用除外としているが、農林漁業者以外の者(個人に限る)が農林漁業体験民宿を営む場合についても適用除外の対象とする

実質この2点は改正されるものとみて、今後にどのような影響を及ぼす可能性があるのだろう。

◆ 1、簡易宿所の面積の緩和

客室の延床面積が緩和されることにより、民泊を想定した個人レベルにおける簡易宿所許可を得るための、一番のハードルとなっていた課題が解決されるわけだが、こうなると大田区や大阪府の条例があまり意味をなさなくなってきてしまうだろう。
というのは、大田区や大阪府は一定の基準を満たし、登録手続きを得ることにより簡易宿所の許可がなくても民泊ができるようになるという条例である。しかし、この条例には条件があり、宿泊者は7日間以上(6泊)の宿泊でなければならない。
それに対して、今回の規制緩和において簡易宿所の許可を取れば、1泊からの宿泊でも問題ないわけで、そちらの方がより現実的であると思われる。

実際に、事前にあれだけ注目を浴びていた大田区の民泊の申請が、思うように数が増えていないという理由には、この法改正を待ち、1泊からでも受け入れができるようにするという考え方が多いのかもしれない。

◆ 2、農林漁業者以外の体験民宿

例えば、教育旅行の民泊を受け入れている自治体において、受入れ民家の中には、農林漁家の方もいれば、商店経営やサラリーマンの専業主婦、リタイアした方など、農林漁家以外の方も含まれているケースがある。
その場合、農林漁家の民家は延床面積の基準が適用除外なので、比較的簡単に許可を取ることができるが、それ以外の民家は簡易宿所として許可を取らなければならないので、ハードルがぐっと上がってしまう。
実際におこなっているのは同じような体験活動なのに、今のままでは全員が許可を得ることは難しいということで、同じような体験をおこなっている民家に対しては、農林漁家と同様に適用除外にしようというのである。

基本的にはこの法改正には賛成なのだが、最近民泊の増加に伴い、一部の受入れ民家では、体験活動をろくにさせずに、ちょろっと周辺の観光地に連れていくくらいで、あとは放ったらかし、最悪の場合は留守番なんていうケースも出てきているのである。

教育旅行における民泊の目的は、地元の人たちとのふれあいであり、家業体験である。

この法改正によって、質の低い民泊が広がるのではなく、より温かく生徒たちを家族として迎えてくれる受入れ民家が増えることを望む。
そのためには、観光協会や商工会、NPO法人などの民泊受入れ団体による、指導や研修などがより大切になってくるだろう。

修学旅行はなぜ高い!? その理由と現状

「修学旅行は高い」というイメージを持っている方が多い。確かに格安ツアーがたくさん出回っている中で、修学旅行はそれらと比べると非常に割高に感じる。
では、なぜ修学旅行は格安ツアーに比べて高いのだろうか。
あまり表に出ることのない修学旅行の金額の設定について解説をしてみたい。

◆ フルオーダーメイド

旅行会社は、一部を除き、自社でホテルや航空機、貸切バスなどを所有しているわけではないので、あくまでもそれらを他社から購入し、旅行商品を作っている。従って、それらの素材が高ければ旅行代金は必然的に高くなる。

修学旅行は日程、日数、発着地、食事、宿泊地、行程などすべての内容を学校と打合せをしながらきめていくフルオーダーメイドの商品である。それに対して、格安ツアーは旅行会社が自社の都合でパッケージ化したものを売り出すという、既成商品である。

例えば、スーツを買う際に、生地、裏地、ボタン、ステッチなど、自分にぴったりと合うサイズで、自分の好みで作るフルオーダーメイドスーツと、量販店で画一的に販売されている既成のスーツとでは金額が全く異なるというのと同じである。
生地や裏地など素材が安いものを揃えていけば、若干リーズナブルに仕上げることができるのと同様に、時間の悪い航空機、質の低い宿、量の少ない食事などを選んでいけばリーズナブルに旅行することが可能だが、それでも既成商品と比べると割高なのはお察しの通りである。

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◆ 人数が多過ぎる

では、修学旅行をこの既成商品のパッケージツアーで行くことはできないのだろうか?

通常パッケージツアーは航空機やJR、ホテルなどを旅行会社が事前に割安な価格で仕入れ、それを在庫として抱えて販売をしている。当然売れ残りが少ないように例年の販売数などのデータをもとに商品を作成しているわけで、多くても20〜40名程度の仕入れが一般的である。当然格安のツアーとなると更に数が限定されている。
多いところで300名以上の生徒が一斉に動く修学旅行では、この在庫では当然足りず、更に、航空会社やホテルなども20〜40名分程度であれば、割安の料金で旅行会社に卸すことはできても、これだけの数になってくると、トータルの利益を考えて割高の設定をせざるを得ない。

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◆ 予約時期が早過ぎる

既存のパッケージツアーは、どんなに早くても約1年前くらいからの販売で、一般的には半年前くらいから、格安のプランになると余った座席や客室を売り切るため、出発の直前に販売される。
それに対して、修学旅行は早い場合で、実施の約2年前くらいから予約をし、事前学習に備えていく。

なぜ、そんなに早くから予約をしなければならないのだろうか。
修学旅行は生徒にとっても学校にとっても最も重視されている行事のひとつである。
従って、一番最悪なケースは「行けなくなること」であり、それを避けるために、早くから予約をする必要がある。
また、修学旅行シーズンは決まっていて、だいたいどこの学校も学校運営上の問題から同じような日程を希望するので、希望通りの確保をするためにはこのタイミングで予約をすることが必要になっている。
この現状に、航空会社やJR、ホテルなども協力をし、一般の団体よりも先に修学旅行の予約の受付を始めている。当然そのような早いタイミングから数多くの座席や客室を抑えるということは、それ以降にもっと高い金額で買ってくれるかもしれない客層に対しての販売チャンスを失うということにもつながるため、そこまで割安ではない「修学旅行料金」という料金を各機関が設定しているのである。

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◆ その他の疑問

「修学旅行は高い」と言われている中で、様々な憶測が飛び交っているが、それらは本当にそうなのだろうか。

  • 学校との癒着があり高いのでは?
    学校側は修学旅行の取扱業者を決めるにあたり、一般的に5〜6社、多いところで10社以上から見積りを取り、競合コンペを行う。金額だけで決める学校が全てではないが、それだけの相見積もりをとることによって、特定の旅行会社が高い金額で受注するといったケースはほとんど見られない。
  • 先生の旅行代金が生徒に付加されて高いのでは?
    実際には先生方の旅費は出張旅費として公費や学校側から支払われているケースがほとんどである。出張旅費だと、支払われる金額が決まっているケースが多く、高いホテルでの宿泊になると、先生自ら自腹を切っている場合もある。
  • 旅行会社が儲けているのでは?
    修学旅行は大人数が必ず毎年旅行をするということで、大手の旅行会社はかなり力を入れている。しかしながら、前述の通り複数社での競合がほとんどのケースであり、金額が高ければ受注することができない。場合によっては、利益が全くない、または赤字になってしまうこともあるのが現状である。
    それに対して、パッケージツアーは料金設定は旅行会社が行うため、赤字にしてまで実施する意味はあまりなく、利益率という点から見ると、割安に見えるパッケージツアーの方が儲かっているということもある。

修学旅行は1年以上打ち合わせを重ねて作り上げている旅行なので、旅行会社からすると多大な労力を費やす商品である。にもかかわらず、競合が激しく薄利になっている中で、撤退を余儀なくされている旅行会社があるのも事実である。

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◆ まとめ

航空会社や鉄道、ホテルなどの「修学旅行料金」が下がらない限り、それを単純に足し算していく旅行代金を安くすることはできない。

ただ、一生の思い出となる修学旅行だからといってあまりにも高級志向で良いホテルに泊まり、贅沢な旅行にするというのも違うと思うし、かと言って「安かろう悪かろう」になってしまっては元も子もない。
旅行会社と学校が知恵を絞って、納得感のある妥当な内容と金額で修学旅行を実施することがこれからも求められていくだろう。

地域活性化の特効薬【教育旅行】

◆ 教育旅行とは

教育旅行という言葉は一般の方々にとってあまり聞きなれないものかもしれない。

「教育旅行」とは観光旅行とは異なり、各種学校や自治体などから発生する教育的な旅行、すなわち、修学旅行や宿泊研修、林間学校、語学研修、海外ホームステイなどの総称である。

この「教育旅行」を地方活性化の切り札として取り組みをしている自治体が数多く存在する。

では、教育旅行がなぜ切り札なのだろうか。

◆ 理由① 必ず旅行がある

昔に比べて、団体旅行というものが減ってきている。

以前は、職場旅行やかんぽ旅行など団体での旅行が多かったのだが、現在は、旅行は一人や家族、数人の仲間といった少人数で、自分たちの好きなところに行くという形態が定着している。

そんな中で、修学旅行は数百人の生徒が一斉に旅行をする。それも1年に限らず、毎年。

◆ 理由② 事前学習

教育旅行は観光旅行ではなく、あくまでも教育的な要素を踏まえて旅行をする。

学校側からすれば在学中の最も大きなイベントなので、せっかくの旅行が有意義なものとなるよう準備にもしっかりと時間をかけて事前学習を行う。

その土地の歴史や文化、名産品などをあらかじめ調べてから来てくれるので、地域の魅力をより深く知ってもらうことができる。

◆ 理由③ リピーターになりやすい

修学旅行の思い出というのはいくつになっても覚えているのではないだろうか。

それが良い思い出であればあるほど、何かのきっかけで、修学旅行で訪れた地域に再び行ってみたいと思える。

◆ 理由④ 移住定住につながる

今の生徒・児童たちが社会に出る頃には働き方はどうなっているだろうか?

これまでのように会社に就職し、長い通勤時間をかけて毎日オフィスに通うといったような、今まででは当たり前とされている働き方をしているのだろうか。

さまざまな働き方が見直されている現在において、子供のうちに素晴らしい体験を提供してくれた地域というのは、すでに生活基盤がある大人たちに比べて、何倍も移住定住の可能性が高い。

実際、修学旅行で訪れた島に惚れて、卒業と同時に移ってきたというケースも多数見られているのである。

以上のように教育旅行の可能性を重視し、地域活性化の切り札として、あなたの地域でも取り組んでみるのもいかがだろうか。

これからの沖縄の民泊の動向に注目!

◆ 沖縄県からの発信

教育旅行における民泊の受け入れの先駆者として知られる沖縄県が“グレーゾーン”の民泊についての見解を正式に発信した。
沖縄県のホームページによると保健医療部生活衛生課からの「民泊について」という発信で、内容は下記の通りである。

インターネットの仲介サイトを通じて宿泊者を募集し、空き屋や共同住宅の空き室等の一般住宅を用い、宿泊料を受けて宿泊施設を営む、いわゆる「民泊」が近年広がりをみせています。
宿泊料を受けて人を宿泊させる営業は旅館業として定義され、民泊も旅館業に該当しますので、旅館業法第3条の許可を受ける必要があります。
旅館業法に関するQ&Aについては、以下のリンク先をご参照ください。

Q&Aの中には下記のように記載されている。

Q:「宿泊料」ではなく、例えば「体験料」など別の名目で料金を徴収すれば旅館業法上の許可は不要ですか。
A:「宿泊料」とは、名目だけではなく、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされる、休憩料、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費などが含まれます。このため、これらの費用を徴収して人を宿泊させる営業をおっこなう場合には、旅館業法上の許可が必要です。
※沖縄県保健医療部生活衛生課 民泊について 旅館業法に関するQ&Aより抜粋

ここにははっきりと「体験料」は認めず、宿泊をさせる場合は旅館業法上の許可が必要とうたってある。

◆ 現状の課題の改善になるか?

「民泊の起こりと問題点」にも記載した通り、沖縄では数多くの市町村で教育旅行向けの民泊をおこなっており、最初の受け入れを始めた2003年頃に比べると、農家民宿の許可を取得している地域は確実に増えている。しかしそれはまだすべてではなく、未だに農家民宿の許可を取得していない地域は今後の対応が求められるだろう。

幸い3月の修学旅行は少ないが、4月の中旬以降は多くの学校が修学旅行で民泊をしに沖縄に訪れる。
また、修学旅行の予約は約2年ほど前から入り始める。したがって、すでに2017年度の予約の受付を始めていると思われるので、先を見据えた動きが必要になってくるだろう。

沖縄がこのようなかたちで考えを明確にした事により、他の都道府県についても余波が及ぶだろう。なかには教育旅行のみ「ガイドライン」というかたちで、特例を認めているような地域もあるので、そこについても今後注目をしていきたい。

しかしながら、こうなる事はある程度予測ができた事で、すでにしっかりと農家民宿として許可を取っている地域もあるわけなので、「正直者が馬鹿をみる」にならないようにするためには必要な発信であるのではないだろうか。

海外旅行は団体だと割高!?〜航空会社編〜

前回に続き、それでは、航空会社はどうだろう。

◆ 海外航空券を取り巻く環境の変化

インターネットが普及をするまでは、海外航空券を買うのは航空会社から直接ではなく、旅行会社からというのが一般的な方法で、航空会社も旅行会社に対して販売の依頼を積極的に行っていた。しかし、インターネットの普及に伴い、誰でもネット上で航空会社から直接航空券を買うことができるようになり、航空会社は旅行会社に対して販売の依頼をしなくても、ある程度の席が埋められるようになった。
それまでは、航空会社は旅行会社向けに特別料金の航空券を卸していたのだがその必要がなくなってきたのである。(航空会社の方針による)

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◆ 正規割引運賃(PEX)と団体の違い

一般的に航空会社で最も安い航空券はPEXと呼ばれる正規割引運賃である。これは、一人一人正確な名前がなければ予約ができず、予約後は数日以内に決済を済まして発券をしなければならない。発券後はすぐに取り消し料が発生してしまう。
さらに、このPEXは席数があらかじめ決まっているわけではなく、空席状況等を見ながら、航空会社が安い席を増やしたり、逆に高くしたりと調整をしながら、収益の確保をしているのである。

PEXはあくまでも個人向けに航空会社が設定をした運賃なので、大人数の団体に適用することはできない。ではなくとも、大人数の団体では、参加者の増減や、名前の変更などが直前まで起こる可能性が高いので、PEXのルールには適さない。

航空会社からすれば、PEXの場合は、名前と同時に予約をし、決済も済ませてもらうことにより取り消しのリスクが回避でき、万が一取り消されても取り消し料を収受できるので安心である。
それに対して、団体の場合は、名前も決済もなしに席数だけで予約を取ることにより、人数の増減の可能性が十分あり、場合によっては、すべて取り消しなんていう大きなリスクを伴うのである。

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◆団体の運賃設定

従って、団体の場合は、そういったリスクも踏まえて、PEXよりも高い運賃を設定することがほとんどである。

また、運賃はPEXだけではなく、もっと細かく区分けをされている。格安運賃を求める方ばかりではなく、高くても仕事の都合上搭乗しなければならないビジネス関係の方や、金額には特にこだわらない富裕層など様々な方に対しての運賃設定があるので、そういったことも踏まえて大人数の団体の場合は運賃の設定をしなければならないのである。

それでも、多少高くても席を出してもらえればまだ良い方で、例年混み合っているシーズンなどは、どんなに早く予約を入れようとしても、大人数の団体は断られてしまうこともあるのである。

◆まとめ

以上のように、インターネットの普及に伴い、大人数での団体での旅行は、手配面や金額面など様々な点においてデメリットが多くなってきている。
これからも個人旅行化はますます進んでいくことになるだろう。。

海外旅行は団体だと割高!? 〜ホテル編〜

団体割引は日本人の感覚

大人数の団体で行けば様々なメリットが受けられる。日本人にとって「団体割引」という言葉は当たり前のように使われている。

では、海外旅行の場合でも航空会社や現地のホテルに対して「団体割引」は存在するのだろうか?

おそらく当たり前のように存在すると思っている方が多いのではと思うが、

答えは「存在しない」である。

団体でメリットを受けられる「スケールメリット」という感覚は日本人に限ってのものであり、海外では大人数の団体(人数にもよるが)は基本的にデメリットが多く、「スケールデメリット」なのである。

では、それは何故なのだろうか。

日本人の感覚から言えば、団体客は一般客に比べて早いタイミングで予約が入るし、大人数が一発で予約が入るという点で優遇されると考えられている。

しかし、そうは考え無いのが航空会社や海外のホテルなのである。

◆ホテルの場合

ホテルの場合は、宿泊料金だけではなく、宴会場の料金や食事料金など、他にも収入源があるため、トータルしての収益を考えざるを得ない。団体客の場合は、個人客に比べて、観光や食事などが決まってしまっているため、宿泊以外の収入が見込めないケースが多い。

また、団体客は個人客に比べて、直前の人数調整に伴う減室などのリスクもあり、また、ホテル側の手間も多くかかるといった現状も見受けられる。

そういった点を総合的に考慮して、客室が埋まるのであれば個人客を取りたいといったホテルが多いということが言える。

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◆ ホテル数自体が限られている

そもそも、海外(特に欧米)では団体旅行というもの自体が日本のように当たり前のようになっていないため、そこまでたくさんの客室を持っていないホテルが多いという実態もあり、団体客が利用できるホテルが限られているということも、団体客の料金が上がる仕組みの一つであると考えられる。

インターネットの普及に伴いホテルが直前でも直接予約を受け付けることができるようになっている現在では、団体客を受け入れるメリットがホテルによって少なくなっているのかもしれない。

勘違い!? 特区における民泊の規制緩和は外国人に限っていない

◆ 日本人もOK

国家戦略特区における旅館業法の特例に基づき、大阪府や大田区が条例を制定し注目を浴びている。

その内容は以下のように記されている

「国家戦略特別区域会議が、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(国家戦略特別区域において外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき一定期間以上使用させるとともに外国人旅客の滞在に必要な役務を提供する事業として政令で定める次の要件に該当する事業をいう)を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を受けたときは、・・・・・・・・・」

これを受けて、てっきり外国人旅客に対しての特例であると思っている方が多いのではないだろうか。何を隠そう私自身もずっとそのように理解をしていたのである。

しかし、実際は外国人に限ったわけではなく、日本人でも問題ないというのが本当のところだというのである。

◆ 内閣府からの発表

2月9日に出された内閣府地方創生室のページにははっきりとこう書かれている。

「本特例の対象施設は、制度上、日本人でも外国人でも利用できるものですが、最近、対象施設の利用者が外国人に制限されているかのような誤解が広がっており、制度上の正確な理解の確保と本制度の円滑な活用推進に支障が生じることとならないか懸念しております。・・・・事業で用いる「施設が」外国人旅客の滞在に適したものであることを求めているものの、施設の「利用者」についてはなんら規定をもうけておりません。・・・・」

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内閣府のホームページより

さらに、概要についても分かり易く「滞在するのは日本人でも外国人でも構わない」といった文言が入っている。

内閣府1

(旧)

内閣府2

(新)

これを受けて、元々知ってたと言う方も、可能性が広がったと喜ぶ方もいるかと思うが、率直な感想は、日本語って難しいということである。

旅行における安価と安全の関係

◆ 自由と自己責任

だれでも旅行に行くときは、できるだけ安く、より良い内容でと考えるだろう。

インターネットの普及に伴い、ネット上でだれでも簡単に格安航空券を買うことができ、ホテルの比較サイトやAirbnbなどのマッチングサイトでより安く宿泊施設を手配できるようになった。また、現地のオプショナルツアーや体験も「タビナカ」と呼ばれ、各種サイトが充実しているし、評判のレストランもネットで調べて、簡単に予約が取れるようになっている。

海外旅行はより身近により安価になってきていると言える。

しかし、安全面ではどうなのだろうか。

自分で自由に安価に旅行の計画を立てることができるようになった反面、すべては自己責任になり、安全面への配慮も自分で行わなければならなくなっているということに気が付いているだろうか。

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◆企画旅行と手配旅行

旅行業法上、旅行会社が取り扱う旅行には大きく分けて2つの種類がある。「手配旅行」と「企画旅行」。

手配旅行とはお客様のご要望通りに航空券やホテルを手配するのみで、その旅行に対しての補償や責任は旅行会社に発生しない。チケット屋さんでコンサートのチケットを買うのと同じ感覚である。

それに対して、企画旅行とは旅行会社に旅程補償が生じるため、事故やトラブルが生じた場合、旅行会社が対応しなければならない。また、最悪の場合には特別補償規定に沿って保証金が支払われる。

海外旅行で邦人の死亡事故などが起きてマスコミに報じられる際に、旅行会社の名前が出てくるときと、まったく出てこないときがあるのを不思議に思われたことがあるかもしれない。

同じ旅行会社を通して申し込みをした場合でも、企画旅行に参加していた場合は、そういった事故に対しての責任の所在が旅行会社にあるため、きっちりとした対応を旅行会社が行うのだが、手配旅行で航空券とホテルだけを旅行会社から買った場合は、自己責任なので旅行会社は関係ないのである。

これは、大きな事故に限らずとも、現地で航空機が欠航になってしまった、ホテルがオーバーブックをおこして泊まれなくなってしまった、パスポートを紛失してしまったなどのトラブルの際も同様である。

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◆ トラブルの想定

海外旅行がこれだけ身近になってきてもトラブルはつきものである。

海外旅行においては、小さなものでも何かしらのトラブルがあると事前に想定し、どんなトラブルにもなんとか対応することができる旅慣れている方と、そうでない方では、金額だけでなく、安全面・安心面も考慮しながら、旅行の手配や申込の仕方などを考える必要があるのではないだろうか。